第9章 Check
「…警戒しねぇ訳ねえだろ」
「まぁ、そうですよね、、、」
俺はともかく、伊織さんを傷つける奴は絶対に許さねえ
コイツは前の世界でマイキーくんを殺せと言った
今回の世界の時は明らかな敵意を伊織さんに向けた
…あの時伊織さんは頭を下げたが、あの人がああしなかったら俺はコイツを殴っていたに違いない
「…大体俺は伊織さんと違ってお前のこともお前の姉貴のこともほとんど知らねえんだ。
伊織さんが言うからこうして協力するが、本来なら会うこともなかった。」
「そうですね、、
…僕がこんなこと言ってもって話ですけど、、、タイムリープのことに関しては絶対に嘘はつきません。
姉さんを救うためにも伊織さんの協力は必要不可欠。
彼女の医者としてのスキルも大きな武器だと考えています。
…正直タケミチくんよりも頼りにしてます。」
「…当時の東卍の内部事情にも1番詳しい人だからな。」
「はい。」
「期待するのもわかる。
…だが、あまりあの人を頼りすぎるな。
人1人の運命を変えるのがどれほどのことか、、、俺たちにはわからない。
…俺は例え2人がタイムリープした結果、俺は自分が死んだとしても構わないと思ってる。」
「…」
「…お前はどうだ?
伊織さんたちが過去を変えた結果、自分が死ぬだけじゃねえ。
お前の姉貴が死んだとしても、それ以上の最悪な未来を導いてしまったとしても、伊織さんたちを責めない覚悟があるか?
それとも前のように伊織さんを睨みつけるか?」
その覚悟がないなら、俺はこの面会とタイムリープ以降、伊織さんと橘を会わせるつもりはない
…東卍過去を変える
それらつまり俺の周りの人の運命全てを伊織さん達に預けることになる
その重みを伊織さんは分かっている
分かった上で戻ることを選んだ
俺もそれを望んだ
その結果がどうであれ、俺は責める権利もないし、なんなら俺もその業を負う
「…すみません。
あの時はどうかしてました。
…もう2度と彼女を責めたりしません。もちろんタケミチくんも。
2人に全てを託します。」