第9章 Check
当直明け
さっさと帰ってシャワー浴びて死んだように眠る
それか仮眠室で適当に寝てまた働く
いつもならこの2択だが、今日は少し違う
『お待たせ、千冬くん
待った?』
「いえ、俺もちょうど着いたとこです。
夜勤お疲れ様です。」
『ありがとう。それに時間無理に作らせちゃってごめんね。
お迎えまで、、、』
「いいんです。
俺が橘の車に1人で乗って欲しくなかっただけですし…」
『そんな危ない人じゃないって…』
「…伊織さんはもっと自覚すべきです!
まあ、とりあえず出しますね、」
『うん。』
千冬くんはそう言ってアクセルを踏む
…昔は無免許でバイク運転してたのが信じられないくらい安全運転だ
車の揺れが心地よくて思わず込み上げた欠伸を噛み殺す
「昨晩忙しかったですか?」
『うーん、、、まぁ普通かな…
2件くらい緊急オペでそのあとは救急の通常業務』
「…やっぱり医者って大変そうッスね…」
『自分で選んだからね。仕方ないよ仕事だし』
「丸一日寝てないんでしょう?
着くまで寝てて良いですよ。」
『大丈夫よ。
二徹くらいなら経験あるから、これくらい訳ないわ』
「二徹って、、、ダメですよ。
自分の健康も考えてください。
…今からドラケンくんに会うんですから、少しくらい寝て頭休めないと」
『千冬くん…』
「お願いです。
少しでも寝てください」
千冬くんはそう言いながらサイドに置いてあったブランケットを私の膝の上に置く
…当直明けで眠いのは確かだが、運転までしてくれてるのに申し訳ない
「…俺は昨日普通に寝たんで。
運転のことは気にしないで下さい、」
『…ありがとう。じゃあお言葉に甘えようかな、』
「そうして下さい、」
『…ナオトさんの待ち合わせ場所着いたらすぐ起こしてね』
「…おやすみなさい」
『おやすみ』
そう発して目を閉じると一瞬で意識が遠のいていった