第9章 Check
『はぁ…』
疲れた
病院内では何があろうと全てを完璧にこなさなければならない
…病院から出ればやっと自由だ
コンビニでどら焼きでも買って帰ろうか
いや、流石にこの時間に甘いものは太るかな、、、
…昔はよかった
毎日こんな時間までバカ騒ぎして、眠たい時に寝て、会いたい時に万次郎達と会って…食べたい時に食べたいものを食べた
…毎日が祭りで、笑顔が絶えなくて、、、喧嘩ばかりしていたけれど、毎日が眩しくて輝いていた
一昨日までそんな世界にいたのに…こっちの世界は味気ない
みんなが側にいないだけで、私の世界はこんなにも色褪せてしまう
パッパー!
『?』
病院から出ると、クラクションの音が聞こえる
「伊織さん」
『!直人、さん…?』
「お仕事終わりでお疲れのところ申し訳ありません。
…送りますので良ければ乗ってください」
『…何か御用ですか?』
「龍宮寺堅のことを、警察のネットワークで調べました。」
『…』
「あなたにお話があります。」
『…わかりました。
…お邪魔します。』
内側から開けられた助手席の扉
ゆっくりとそこに座り、シートベルトを締める
『…連絡頂ければ時間を作ったのですが、、、ずっと待っていたんですか?』
「まぁ…というか、、、貴方がどれほどの医師なのかは知っていますので…連絡するのは気が引けて…」
『そうですか。
…お待たせしてしまってすみません』
「いえ、僕の方こそ…押しかけてしまって本当に申し訳ない」
今は深夜1時過ぎだ
彼だって仕事はあっただろうに、、、