第9章 Check
『…それで、お話というのは』
「…龍宮寺堅との面会を取り付けました。」
『っ!』
「今、彼は東京の拘置所にいます。
普通は親族のみというところを少しだけ職権濫用して、、、
割と無理やりですけど、、、」
『…』
「…伊織さん、僕と一緒に行きませんか、」
…けんちゃんとの面会、、、
『…行きます』
「…よかった。僕が会ったところで彼が話を聞いてくれるとも思えませんでしたから、、、」
けんちゃんとの面会、行かない理由はない
…現代で初めて、あの頃の人間とコンタクトが取れる
何より、、、けんちゃんがどうしてそんな罪を犯したのか
…私がいない間の東卍に一体何があったのか
…どうして万次郎がああなってしまったのか
そして、
…そして、、、どうして私だけを逃したのか
どうしてけんちゃんとたかちゃんの2人は万次郎の側に居続けたのに、私だけを外に逃したのか
…たかちゃんなら、私がそれを望まないことくらいわかっていたはずなのに、、、
そのたかちゃんと一緒にけんちゃんは私を万次郎から離した
『…私も彼には聞きたいことがある。
是非ご一緒させて下さい。』
「ありがとうございます。
…松野さんはどうしますか。」
『彼には私が直接確認します。』
「わかりました。
面会時間は日中限られた時間しかありません。
次のお休みの日はいつですか。」
『…1番早いのは。明日が当直なので明後日の昼間ですね。』
「わかりました。そのように話をつけてみます。」
『…ありがとうございます』
…けんちゃんに会える
けんちゃんに話を聞ける
彼を目の前に、私はちゃんと話せるだろうか
次のタイムリープのための情報を得られるだろうか
…いまいち頭の中がまだぐちゃぐちゃだけど、このチャンスは逃せない
…無駄になんかさせてたまるか