第9章 Check
「でもよ、そもそもなんでドラケンくん救ったのにこんなことになったんだ?
稀咲が入る隙なんてなくない?
そもそも稀咲とか会ったこともねぇし…」
『え?』
「は?」
「…?お二人ともどうされました??」
『え…タケミチくん、、、覚えてないの?』
「…お前も現場にいたはずだろ…?」
「え?なんのこと…?」
あの時期、万次郎は弍番隊にタケミっち入れることにしたって言ってた
血のハロウィンの時には既に稀咲は参番隊隊長だったから…絶対に見たことはあるはずだし、あの事件を忘れるなんてあり得ない…
っ、まさか…!
『タケミっち…記憶が引き継がれてないの?』
「へ?」
『けんちゃんが生きているこっちの新しい世界で過ごした12年間分の記憶…ないの?』
「え!?伊織さんあるんですか!!?」
『ええ…というか、現代に戻ってきてすぐ全部入ってきて…
コンピュータのアップデートみたいな感じで一気に…』
「…伊織さん熱も出してましたもんね…」
「…タケミチくん、こちらに帰ってきてから何か体に異変はありましたか?」
「いや…手に傷痕があったくらいでこれといった不調は…
割と帰ってずっとナオトと一緒だったし、、、」
どういうこと…?
タイムリープ後の記憶は上書きされる訳じゃないの…?
「…伊織さん、龍宮寺を救う前の世界の記憶も残っているんですか?」
『はい…少し混ざりそうになるけど一応2つの世界の記憶はあります。』
「忘れたりとかは…」
『前と同じくらい鮮明には思い出せます。』
「…完全に後付けされたような感じなんですね…」
『そうです…』
「反対にタケミチくんは一切こっちの世界の記憶はない、と…」
「ああ。俺めちゃくちゃ混乱したもん。」
わからない事が多い
…つまり当時のことを覚えたままタイムリープできるのは私だけってことか、、、