第9章 Check

『…千冬くん、大丈夫』

「…ッス」

「…」













前に出た千冬くんの肩に触れて彼を下がらせる

代わりに私が一歩前に出てナオトさんの瞳を真っ直ぐに見上げた

















『…申し訳ありませんでした』

「っ！」

「…」

『…全て私の責任です』

「！」

「…」













私がそう言って頭を下げると、後ろにいた千冬くんが息を呑んだのが分かる

と、すぐに彼も倣うように腰を折ったのを気配で感じた



…ヒナちゃんは何も悪くない

…悪いのは東卍、私たちがいた東卍だ











そして、こうなってしまったのは私が彼らを止められなかったから


私が抑えられなかったから
















「どうして…どうして姉は！！
姉が死ななければならなかったんですか！！
姉が一体何を…！！」

『…』

「…」













ナオトさんは嗚咽を漏らしながらそう言って拳を握りしめる

















『…本当に申し訳ありません。
謝って済む問題ではありませんが………必ず、必ず彼女を助けます。
何度繰り返しても…必ず、彼女の未来を守ってみせますから……どうか、貴方方の力を貸してください…
お願いします…』




















本来なら、この罪を贖うことすら出来ない

…その権利すら私に与えられることはない





でも、どうしてかはわからないけど私には今、その術がある












もう一度タイムリープして彼女を救うことができる





助けられる





償える





贖える

















だから、私はひたすら頭を下げ続けるしかなかった