第9章 Check
姉が、死んだ?
『え?…えっと、、、直人さん、ですよね?』
「はい」
『…姉って……ヒナ、ちゃん?』
「…はい」
『…そんな、だって、、、』
「…明日が葬儀になります、
良ければお越しください。…姉は昔、貴方の話もよくしていましたから………では」
『あっ!』
ツー ツー ツー ツー
「伊織さん?」
『…嘘』
「大丈夫ですか?…伊織さん?」
ー伊織さん♪
屈託のない笑顔で、エマと並んで私の名を呼ぶヒナちゃん
ー伊織さんすごい!
少しのことなのに、手を叩いて驚くヒナちゃん
ー伊織さんありがとうございます!
浴衣を着て嬉しそうにくるくるまわりながら鏡を見るヒナちゃん
ー伊織、さん…
震えながらもタケミっちを支えるヒナちゃん
ー伊織さん!ダメです!!
自分だって怖いのに、絶対に逃げないで声をあげるヒナちゃん
ー伊織さん!そんなに動かないでください!!
私に化粧をしてくれたヒナちゃん
ー伊織さん綺麗です!
私の姿を見て嬉しそうにエマと笑いあうヒナちゃん
ー伊織さん
『ヒナ、ちゃん…!』
「伊織さん?」
あまりに唐突で、呆気ない知らせ
…涙すら出てこず、ただただあの笑顔だけが私の頭の中をぐるぐると回っていた