第9章 Check
…私のせいだ
タイムリープができることが分かって、完全に油断していた
何度タイムリープを繰り返してでも万次郎を、みんなが幸せに生きていける世界を手に入れるつもりでいた
そのためならなんだってやる覚悟だってあった
でも、それだけじゃダメだった
タイムリープは私とタケミっち、そして直人さんの3人の利害が一致して初めて行使できる
私だけの我儘で行き来できるほど簡単なものじゃない
この可能性を考えていなかった私の完全な失態だ
…何度も都合よく過去に戻れる訳なんて、ないんだ
「っ、クソッ、、、場地さん…!」
『…っ、』
勿論、ヒナちゃんが生きているのはすごく私だって嬉しい
彼女は確かに私の大切な人の1人だ
…でも、
それでも、万次郎のことを、圭くんのことを諦め切れない
諦めたくない
彼らの幸せを諦めるなんてこと、絶対にできない…!!!
『…千冬くん、ごめん、』
「…伊織、さん、」
『…全部私のせいだ。
私の考えが及ばなかったから…少し考えればわかったはずなのに…!』
「いえ、、」
『でも、大丈夫、、、大丈夫だから…!
絶対諦めない。絶対圭くんも助けるし、絶対東卍もこんな組織にはさせないから!!
…必ず方法を探すから…!!』
「伊織さん、、、」
目に涙を溜めている千冬くんの手を取り、自分に言い聞かせるようにそう言う
…こんな訳の分からない現象が起こってるんだ
絶対に何か方法があるはず…
いや、なくてもこのまま諦めることだけは絶対にしない
…必ず方法を見つけてみんなを助けてみせる…!!!