第9章 Check
『もしもし、急に連絡して申し訳ありません。
高宮です。』
「っ!伊織さん!
伊織さんも帰って来られたんですね
よかった…」
『はい。
それで…今回のタイムリープのことと次のタイムリープの件でお話があって、、、近いうちに会えませんか?』
「…それは、」
『?何か、ありましたか?』
電話口からの声が途絶えた
…忙しかったかな
「…タイムリープは、もう、、、」
『え?』
「…この世界では、姉は生きてるんです。
だから、もう、、、」
『っ!!!そう、ですか…ヒナちゃんが、、、
よかったです。』
そっか、、、ヒナちゃん、生きてるんだ…
…元々タケミっちや直人さんの目的はヒナちゃんを助けるためにタイムリープをしていたんだ
そのヒナちゃんがけんちゃんを救った事で今生きていられる
…つまりもう、、、タイムリープをして過去を変える必要はない
というか、むしろ変えたくはないだろう
「…また、連絡しますので、、、では」
『はい』
「…伊織さん?」
『…』
…もうヒナちゃんは知らない子なんかじゃない
もうヒナちゃんは、ただの東卍の被害者の1人じゃない
私の大切な友人であり、エマのようにかわいい妹のような存在の1人だ
…私の守りたい人の中に彼女も入ってる
「伊織さん?大丈夫ですか?」
『あっ、千冬くん…』
「…橘はなんて?」
『…タイムリープはもう、しないって、』
「えっ…なんでっ…!」
『…ヒナちゃんが、、、直人さんのお姉さんで、タケミっちの恋人が、、今、このけんちゃんを救った世界で生きてるから…もう、彼らには過去を変える理由がない…』
「っ!!」
ガンッ!
「っ、」
『…』
千冬くんは悔しげにテーブルを叩く
…当てる場所のない悔しさが頭の中を駆け巡る