第9章 Check
しばらく落ち着いてから2人で一息つく
随分汗をかいていたようで、冷たい水が気持ちいい
『…多分、合ってると思うんだけど、さ、、、
一応確認しても、いい?』
「勿論です」
『…ごめんね、辛いこと思い出させちゃう、、、』
「俺は大丈夫です。
大事なことですし、、遠慮なく聞いてください。」
『本当ありがとう。』
千冬くんはこの世界でも優しいな
…圭くんを助けられなかったわたしなのに、、、
『…けんちゃんの事件が終わってから少し経ってから私はこっちに帰ってきたんだけど、、、記憶の中ではその後、何故か万次郎が稀咲を参番隊の隊長に任命した。』
「はい。
その集会で場地さんは東卍離脱を宣言し、芭流覇羅へ移籍。」
『そう。
…私は怪我が治った後、東卍の前線から引いてた。
なんでかはわからないけど万次郎達があんまり前に出るなって言って、、、』
私のバカ…
けんちゃんのことがあったのにどうして離れたらなんかしたんだ
『それで血のハロウィン』
「…場地さんが一虎に刺されて、、、それを目の前で見たマイキーくんが一虎を殺した…」
『…私はそれをたかちゃんから電話で聞いたわ。
また…私は大事な時に居なかった……』
「…」
『…それから私は万次郎とは一度も会わずにアメリカに、、、』
「…伊織さんはそれから、前と同じように2年前に帰国してます。
ですが前と違うところは、今の伊織さんは東卍組織の内情に踏み込まなかったところです。
東卍が巨悪化してることも知らなかったし、俺とも面識はありませんでした。」
『それなのに匿ってくれたの?』
「…この世界での伊織さんは覚えてなくても俺はちゃんと覚えてましたから。
伊織さんがマイキーくんや場地さんのために頑張ってくれてること。
まぁこの世界の伊織さんからしたら急に拉致られてなんだって話ですけどね…
伊織さんが帰って来れてよかったですよ。
俺も危うく犯罪者になるとこでした。」
『ふふ、千冬くん…ありがとうね。』
戯けたように言うけど、勇気が必要だったはずだ
…不確定な予想で罪を犯すなんて
本当に彼には頭が上がらない