第9章 Check
『…ぁ?』
「伊織さん!!」
『…ちふゆ、くん、、、?あれ、私…』
「大丈夫ですか!?
ずっとうなされてて、、、」
起きあがろうとすると、千冬くんが背中を支えてくれる
…そっか、私あのまま倒れて、、、
『っ痛っ!』
「伊織さん!?頭痛いんですか!!?」
『っ!』
頭に、流れ込んでくる
…これは、、、夢で見た
「伊織、逃げろ」
「伊織行け!」
「お前は東卍じゃねえ!」
「もう近づくな!!」
『っ!!』
「伊織さん!」
『大丈夫、、大丈夫、だから…』
これは、、記憶だ
この世界の私の過ごした記憶…
まるで機械がアップデートされるかのように、私の中に記憶が入ってくる
…その時の感情まで、完璧に
『っ!』
「伊織、さん?」
『…千冬くん、、、ごめん。
圭くんは…』
「…大丈夫です。
とにかく、今は休みましょう」
『いいえ、大丈夫。
もう全部わかるから…もう、全部終わった』
「え?終わったって、、、」
『…私の記憶が上書き、というか、、、歴史を変えてからの12年間の記憶が入ってきた。
もう頭も痛くない。
…もう、大丈夫。』
「記憶が…?」
『ええ。
自分でも変な感じ。』
「じゃあ今のこととかも覚えてて」
『うん。…結局今の私も医者なんでしょう?
アメリカに行っていた期間も同じ。
…私自身は何も変わってないなんて…』
「…」
『…本当、嫌になっちゃう』
私は思わず自嘲気味に笑った