第8章 Surprise
自分でもだいぶ変なこと言ってる自覚はある
普通なら首を縦に振る人はいないだろう
でも、絶対私がやった方が痛くないし、この前無茶させた分少しくらい返したいし…
タケミっちの時も手は感覚忘れてなかったって確認できたし
あとはけんちゃんがいいって言うかだけど
「ま、未来の医者の練習台ならなってやってもいいぜ」
『やった!
ならお礼に将来は私がけんちゃんの健康診断してあげる』
「そりゃいいな。
お前ならきっと名医になれる。」
そう言って笑いあうと、私はカバンからピンセットなどの道具を取り出す
『あ、目瞑ってていいからね?』
「んなダセェことしねぇよ。タケミっちじゃあるまいし」
『さすが
…じゃ、行くわよ』
「おう」
ピンセットで糸を少しだけ浮かせて糸を切る
そしてそのまま掴んでいた糸を引き抜く
ただそれの繰り返しだけど、上手くやらないと痛みを伴うこともある
繰り返し自分の脚で練習してきたこの作業
昔習ったコツを思い出しながら進める
『ん、終わり!』
「…本当に器用だなお前、、、マジで痛くなかった。
だいぶ覚悟してたのに」
『でしょ?
勉強したもの』
「ああ。すげぇな
マジで感覚なかった。」
本気で驚いたように目を丸くするけんちゃん
それもそうだろう
私は今中学生なんだから
「ドラケン!間に合っ…わ!伊織!?」
『あ、エマ…それにヒナちゃんも、、、
そんなに慌ててどうしたの?』
「へ!?あ、いや、、、なんも、ない!」
「エ、エマちゃん落ち着いて…!」
ワタワタと慌てる2人
?
本当にどうしたんだろ
「エマ、大丈夫だ。
なんも狂ってねぇよ。」
「本当!よかった〜
あ、あと、三ツ谷から丁度さっき連絡きてさ、三ツ谷と場地も来るってさ!」
「へぇ、アイツらも来るのか…」
『たかちゃんはともかく、圭くんお見舞いなんて珍しいね。』
「あー…まあそうだな。
…エマ、ヒナちゃん、今からもうやっちまえよ。
マイキーもタケミっちと話したら降りてくるだろうし」
「うーん、そうだね!」