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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第1章 Blanc


「…マイキーくんが変わってしまったキッカケは、やはりドラケンくんが亡くなってからです。」

『うん。』

「今思えば、そこから既に稀咲の計画の上に東卍は乗せられてた。」

『…』

「それから半年間、伊織さん達世代が卒業するまで、皆さんは憔悴しきっていた。
…覚えてますか?」

『うん、』










私と万次郎はあれから毎日、武蔵神社の階段に座って、2人でずっと遠くを眺め続けていた。

何も考えられなかった。

何も話すことなく、ただずっと、ずっと隣に座って呆けていた。



いつもならけんちゃんが何してんだって声をかけて、行くぞってバイクに乗ってやってくる。



…私たちはけんちゃんがそう言って来てくれるのを待っていたのかも知れない。

もう、二度と来ることがないのはわかっているのに。

それでも、私たちは待っていたんだ。











「…マイキーくんがそうなってから、東卍は稀咲と三ツ谷くんがなんとか仕切っていました。
ですが、東卍は良くも悪くも、マイキーくんのカリスマ性を要としてましたから、上手く纏まらなくて…
三ツ谷くんのお陰でなんとか形を保っていたんです。
その時の稀咲はまだ大人しかった。恐らく、そうして三ツ谷くんと東卍を支えることで土台固めをしていたんだと思います。」

『…』

「…それから、半年後、伊織さんが居なくなりました。」

『うん…』

「…マイキーくんは、ドラケンくんが亡くなってから初めて自分から行動を起こしました。
死に物狂いで、全東卍メンバーを使って伊織さんを探していました。」

『…万次郎、』

「…でも、結局見つからなかった。
場地さんは、俺に言ってました。「伊織はめちゃくちゃ遠いとこに行った。しばらくは帰らねぇよ」って。
場地さんは、伊織さんがどこに行ったのか、知ってたんですか?」

『…うん。
圭くん、空港まで着いて来て、、、
圭くんだけに言ってたの。』

「そうですか、、だから…」

『?』

「いや、場地さん、いつも朝、太陽に向かってなんかぶつぶつ言ってたから…」











【わかった。毎日そっち向いて話す。】








ほんとうに、話しかけてくれてたんだ。

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