第8章 Surprise
ピンポーン
『あ!たかちゃぁぁあん!!開いてるから入ってぇぇぇ!!!』
ガチャ
「お前な、鍵くらい閉めとけよバカ
俺じゃなかったらどうすんだ」
そんなことを言いながらちゃんとお邪魔しますって言って入るたかちゃん
靴まで揃えて…私しかいないのに本当礼儀正しいなぁ
『わざわざごめんね、たかちゃん』
「伊織、いくら怪我してても鍵は掛けとけ。
ただでさえ女の一人暮らしは危ねぇのに…しかもお前今怪我してんのわかってんだろうな?
なんかあってもすぐ逃げれないんだぞ」
『うっ…』
「マイキー帰って少ししか時間経ってないにしても、1人の時間があるなら絶対に鍵は掛けろ。いいな?」
『はい…』
「ん、本当お前はバイクといい鍵といい…危機感が全くと言ってない。」
『ごめんって』
出た出たたかちゃんの小言
圭くんとかはいつも三ツ谷はうるさいって言ってるけど、こう言う小言も全部私たちへの想いが詰まってる
…昔、偶に寂しくなった時とか、わざとこんな風に言って欲しくて危ないことしたりしてたっけ
「はぁ…ったく、、、台所借りるぞ」
『え?』
「飯、何日か分使っといてやるから。
その足じゃずっと立ってるのもだるいだろ。」
『いいよそこまで…』
「怪我人はじっとして治すのが仕事だ。
とか言っても、どうせ東卍のこと気になってお前は動くだろ。
それなら俺だって出来ること勝手にやる。」
『…なんか今日たかちゃん強引』
「マイキーや伊織に比べたら可愛いもんだ。」
『え、私も?』
「緊急時のお前の強引さはマイキー以上だぞ」
『そんなこと「ある」
途中で遮られて口を閉じる
と、たかちゃんは持ってきたビニール袋から食材を取り出すと手際良くそれらを刻んでいく
テンポ良い音が家の中に響く
『たかちゃんのご飯久しぶり』
「昨日ガトーショコラ食べたろ」
『あれはお菓子。ご飯はまた別』
「へぇ
…治ったら俺にも作れよ。俺お前の作る飯好きだ。」
『えー、たかちゃんの方が上手だからなんかやだ』
「そんなことない。伊織の方がうまい。」
『嘘つけ』
「本当だって」