第8章 Surprise
『万次郎!なんであのままで帰るかな!?』
「え?だって杖ついて帰ったら時間かかるじゃん。
こっちの方が早いし」
『恥ずかしかった!!』
「今更じゃね?」
全く気にしてない万次郎
…本当に、、、なんでこうあるかな…
「じゃあ俺ケンチンのとこ戻るから!」
『はいはい。…荷物は、助かった。…ありがと』
「ん!」
そう言うと、万次郎はキラキラした笑顔を向けてまた病院へ走っていく
…さ、片付けて色々やりますかね
病院の荷物をパッパと片付けて、ケータイを手に取る
…圭くんにも話聞かなきゃだけど、、、そもそも抗争の時はどんな感じだったか聞かないといけないから…
『先にたかちゃんだな…』
電話帳からたかちゃんの名前を押してコールする
ピッ
『あっ!もしもしたかちゃん?今大丈夫?』
「お、伊織。
大丈夫だけど、どうした?今日退院だったろ?」
『うん、そうなの。
万次郎に荷物運んでもらってもう家にいる。
もし時間あれば会えないかなって思って…抗争の時の話聞きたいし。』
「退院した日から働くのかよ…
俺は別にいいが、、、」
『ありがとう。じゃあ待ち合わせ公園でもいい?』
「いや、俺がお前ん家行くわ。
まだ自由に動けねぇだろ?」
『いや、悪いよ…
部屋も散らかってるし…』
「こっちはバイクなんだ。距離なんざどうでもいい。
それに散らかってるつっても伊織のことだ、たかが知れてる。
見られたくないモンだけ隠しとけ。触らねぇから。
だからなるべくじっとしてろよ?」
『ありがとう。じゃあ待ってる』
「おう」
たかちゃん本当に優しいな
気遣いもできて物腰も柔らかくて…
よく周りも見えてる
けんちゃんは兄貴肌!って感じだけど、たかちゃんはもう少し包み込む感じの、、、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、お母さんとかそう言う感じの暖かさがある
お母さんなんていたことないからわからないけど、なんか、もし居たらあんな風に心配してくれるんだろうなって、そう思う