第8章 Surprise
『なんかこうやってこのメンバーでゆっくり話すの久々』
「最近忙しかったからな〜」
「とりあえず、みんなお疲れ様」
「無事で何よりだ」
「色々ありがとうな」
万次郎が総長じゃない自分を出せるメンバーの私たち
ずっと一緒だった私たち
ひとりひとり足らないものはあるけれど、誰かが誰かを補いながら生きている
強いようでひとつ欠けたら大変なくらいに簡単に崩れる、脆くて儚い私たち
今回はパーちゃんとけんちゃんが一気に抜けるという、完全崩壊の一途を辿りかけた
パーちゃんが抜けてボロボロになりそうなところをなんとか繋ぎ止め、けんちゃんがいなくなりそうなのをギリギリで食い止めた
私たちは口には出さずとも、自分自身の、そして東卍組織の脆さを改めて理解していた
私たちはこの時、ちゃんとわかっていたんだ
私達のうち、誰1人として強い人はいないことを
誰1人として、1人だけでは戦えないことを
そして、大切なものは、失いかけるまでわからないということも
ちゃんと、理解できていたはずだったんだ