第7章 Incident
マイキーはまだ半間と話してる
クソ、ドラケンはどうなった
無事なのか…!
「…三ツ谷、先行け。」
「っ!わかった!!」
マイキーからの声を受けてこの辺りで1番近い病院へバイクを飛ばす
バイクをならではの機動力を活かし、最短ルートを最速で行った
祭りだからか…道が混んでる
車の合間を縫いながらただ病院目指して走る
「っは!着いた!」
俺が到着したのは救急車よりも少し前
…ックソ!なんで救急車こんな遅ぇんだよ!!
と、サイレンの音が聞こえた
ガラガラと担架が転がってくる音と人の声が聞こえる
「ドラケンくん!!ドラケンくん!」
『ハァッ!ハァ!けんちゃん!
帰ってきて!けんちゃん!!!』
「は…」
ドラケンが運ばれる担架の横を走りながらドラケンの胸をひたすら押している伊織
…おい、それって、、心臓マッサージ…
ってことは、、ドラケンの心臓は…
「状況は!」
『止血は済んでる!搬送中に出血性ショックによる心肺停止
早く輸血を!』
「っ!…君は」
『早く!
オペの準備して運んで!!!』
「ドラケン!」
「っ!三ツ谷くん!」
俺もドラケンの近くに駆け寄り、ひたすらに名前を呼び続ける
手術室の前に行くまで、伊織は俺たちなんて目に入っていないように、ずっとドラケンに声をかけ続けながら心臓マッサージを続けていた
「今からオペになりますので…」
『私も行く!』
「伊織!」
『私がやった方が「伊織さん!ダメです!!!」
「伊織!落ち着け!!!」
『っ!』
花垣が呼び止め、俺が伊織の肩を掴んでドラケンから引き離すと、伊織は我に帰ったように動きを止めた
「先生!お願いします」
「…全力を尽くしますが…覚悟しておいてください」
医者はそう言って中へ入って行った