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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第1章 Blanc


「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ」



5時50分



約束の時間より10分前の時刻にファミレスに入る。

この時間だけど人はまばらで、学生が結構多い。












「伊織さん。」

『っあ、』

「伊織さん、ですよね?」











後ろから声をかけられて振り向くと、背の高い男性。

ツーブロックの黒髪に、格好はスーツ。
少しつり気味の猫目を柔らかく細めているその人。











【場地さん!ペヤング買ってきましたよ!!】

【おう!千冬ぅ、一緒に食うか!!】

【またペヤング?偶には他の食べなよ〜】

【伊織!お前わかってねぇなぁ!
ペヤングだからいいんだよ!!】











『ちふゆ、くん…』

「はい、俺です。
…本当に、お久しぶりです。」











嗚呼、思い出した。

誰よりも圭くんを尊敬してて、圭くんが誰よりも信頼してた人。

松野千冬くん。



貴方の顔、思い出したよ。



今も昔も変わらない、そんな綺麗な目をしてた。
















「会えて、嬉しいです、」











その言葉にまた涙が出そうになる。

そうよね、そんな風に素直に言える貴方だから、圭くんも貴方を信頼してた。

そんな彼を、貴方は目の前で亡くしたのね。












『…私も、嬉しい。』











そう言うと、千冬くんは驚いたように目を見開いた。
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