第1章 Blanc
それから私は東京卍會の現在を調べ上げた。
とは言っても、表沙汰になっていることしか調べられなかったが、それだけでも本当に大変な組織だというのが分かる。
窃盗、暴行、薬物、借金商売、賭博、売春そして殺人。
本当に何でもありの犯罪組織と化してしまっている。
でも、知れば知るだけ分からなくなる。
空白の10年、実際にはなにがあったのか。
少なくとも、私の知っている東卍組織では成し得ないレベルの事件だって沢山ある。
東卍が上手く隠しているのか、ネットに出るレベルの情報だって所詮末端。
東卍の軌跡の大切な部分であろう情報は巧みに隠され、ただただ東卍が大変な組織であることしかわからなかった。
『…どうなってるの、、、』
ネットで調べるのはこの程度でお手上げ。
これより深く追及するには誰かと接触しなくては。
でも、あの頃のみんなの番号なんて繋がるはずないし、そもそも誰がどこにいるかもわからない。
当てがあったのは圭くんだけ。
そして圭くんから受け取った謎の電話番号。
…もう、腹を括るしかない。
私はスマホにその番号を打ち込んだ。