第7章 Incident
「わぁ!どれもかわいい!!」
「うーん、どれが良いかな…」
「悩むね…」
確かに、これだけ種類が多いと悩むな
…2人とも日頃は活発な方だし、、、普段とのギャップを狙ってみるのも良いかも
タケミっちはいつもデレデレしてるけど、けんちゃんの内心心臓バクバクしてる姿を思い浮かべると少し、いや、かなり面白い
…きっとエマからは1秒たりとも目を離さないんだろうな
というか、タケミっち、よくよく考えたら26の大人が14の女の子にデレデレするって、、、犯罪じゃん
そんな思考が一瞬頭を過るけど、気づかなかったことにしておこう。うん。
『うーん、エマはいつも服は明るい色が多いからちょっと落ち着いたのにしてみたらどう?
ギャップ狙いで紺とか』
「え"!ウチこんなの似合う?
ウチハーフだからそもそも和装似合うかすら微妙なのにこんな落ち着いたやつ…」
『まあまあ、一旦合わせてきなよ
髪の色と合わせて柄は黄色のやつだし、紺と黄色の相性って結構良いから』
エマをぐいぐいと試着室へ押し込んで、次はヒナちゃんの浴衣を選ぶ
あんまりヒナちゃんとはまだ仲良くなってないけど、初対面で万次郎ビンタしたり、エマとタケミっちの時はタケミっちのことボコボコにしてたり、、、強気な子っぽいから、浴衣は可愛い系で攻めてみるか
となると、色はピンクとか白とかで柄は花とか…
『お、良いのあるじゃん
ヒナちゃんこれどう?』
「!可愛い!!」
『じゃあ帯はこれかコレ、、、悩むな…
合わせてから見てみるか。
ヒナちゃんも着てみなよ』
「はい!ありがとうございます!!」
2人とも良い子だなぁ
好きな人のために一生懸命になれて
私は…
いや、まだそんなことを考えてる余裕はない
万次郎の未来をまずは明るいものにしないと
けんちゃんは抗争で亡くなって、ヒナちゃんは事故で亡くなった
でも、万次郎は違う
中から壊れていった
だから、2人とは根本的に救い方が違う
とにかく1番は万次郎の未来を救うこと
それ以外は全て後回しだ
私の小さな恋心なんて、考える余地もない