第7章 Incident
「伊織〜!今日ちょっとだけ付き合って!!
本当ちょっとだけ!一生のお願い!!ね?」
『えー、ちょっと今日忙しいんだけど、私』
「2時間!!いや1時間でいいから!お願い!!」
『それくらいならまぁいいけど…何?』
珍しくエマがウチに訪ねてきた
いつもは私とけんちゃんが万次郎の家に入り浸ることが多いから新鮮だ
東卍の方も、2人の和解は隊長達からみんなに伝わって多くの子達が派閥から離れてる
ただ、マイキー派だけはまだ存在してるみたいで、その辺りを解決するのに最近は時間を使ってるからあんまり暇はない
「もう少しで武蔵祭りじゃん?
ウチとヒナ一緒に浴衣着たいんだけど、、、伊織選んでくれない?
伊織のセンスなら間違い無いから!!」
『え?私が選ぶの??』
「お願い!!どうしてもドラケンあっと言わせたいの!!」
けんちゃんをね〜
あの人をあっと言われるのは相当難しいからな…
いや、エマのことは超がつくほど大好きなんだよ
私と万次郎の前ではよく惚気てるし、なんならこの前エマの好みとか聞かれたし
でもなぁ
良くも悪くもけんちゃん顔に出ないから…
「ダメ…?」
『〜!ダメ…じゃ、ない』
「やった!じゃあすぐヒナに連絡するから!!」
くそぅ上目遣いはずるい
かわいい
やばい本気でこんな子に好かれるけんちゃん羨ましい
「じゃ、行こ!!」
『わかった』
結局、私はエマに手を引かれて浴衣を買いに行った