第6章 Infighting
本当に久々に3人で並んで座る
視線の先にはタケミっち達がサッカーのようなことをして遊んでいる姿
中学生というより、小学生を見ているようで少しだけ口角が上がる
「…タケミっちから言われたんだ
周りのことなんてどうでもいいんだろって
そんなだから喧嘩なんてしてられるんだろって」
「二人だけの喧嘩じゃ済まなくなる
俺ら慕ってくれてる奴らまで争い始める
そう言ってた」
『…』
「それにタケミっちさ、東卍メンバーでもねぇのに泣きながら、東卍がバラバラになってくのは悲しいって言ってくれたんだ」
『そう…』
タケミっち…
「…それと、どれだけ伊織さんが東卍のために走り回ってるのかもアンタら知らないだろ、とも言ってたよ
ごめんな、俺たち本当に知らなかった。」
「俺なんかタケミっちの前で東卍ももう終わりだ、とか言っちまって…
本当にごめん。」
「それと、東卍のこと諦めないでくれてありがとう。」
二人は口を揃えてそう言う
本当、さっきまで喧嘩してたのが嘘みたいに穏やかな顔で
『…もういいよ。
本当は怒ってたけど、そんなことどうでもいいくらい今は嬉しい。
落ち着いたら怒るかもだけどね。』
「ハハ、そうかよ。」
「それなら今のうちに逃げとく?ケンチン
伊織怒ったら怖いよ?」
「それもいいな」
『…やっぱり今から怒ろうか?』
あ、今2人とも腰浮かせた
…気づかない訳ないじゃない
『もう手遅れ』
「うおっ!」
『…2人ともたかちゃん達とかエマにも謝らないとよ?
エマなんて泣いてたんだから。』
「!」
『エマを泣かせるような人に私の可愛いエマは預けられないな〜』
「…俺今からエマんとこ行ってくるわ」
『そうしな〜
…次泣かせたらエマとの結婚とか許さないから』
「…わかってる」
「てかなんで伊織の許可いるの
普通兄貴の俺でしょ」
『だってエマ、私のこと大好きだもん』
「いや関係あるか?それ」
『当たり前』