第6章 Infighting
「マイキーくんだってそうしようとしてる!
だから俺たちはあの人に着いて行くんだ!!」
『っ!万次郎まで…!!』
万次郎にまでその話が通ってる
…私が万次郎と会っていないあの期間だ
側にいたらすぐに止めてたし、そんなことはあり得ないと説くこともできた
私が側にいない間にみんなの感情を利用してここまでの抗争に発展させたんだ…!!!
東卍は完全に、嵌められてる
…分かっていたのに、全てが後手に回ってる、、、
「…もう俺たちは止まらねえんだよ。
話すことはこれ以上ありません。」
『ペーくん!』
「もう余計なことしないで黙っててください」
『っ!』
それだけ言って、ペーくんは周りの人達を連れて公園から出て行ってしまった
私は影になっている階段に思わず座り込む
このままじゃ本当に東卍は飲まれる
ペーくんの言う通り、彼らは簡単には止まらない
ペーくんの口ぶり的に、けんちゃんもこのことを知ってた
『これは…ちょっとキツイな…』
けんちゃん、この事も知ってたからあそこまで追い詰められてたんだね
けんちゃんなら、東卍が嵌められてることまでは分からなくても、パーちゃんを出せる手段があると知った時、かなり揺れた筈だ
それでも真っ向から万次郎に当たられて、ペーくんたちから色々言われて、自分の気持ちも押し殺して
限界だったわけだ…
ぷるぷるぷる ぷるぷるぷる
ポケットの中のガラケーが震える
…また何かあったのだろうか
『はい』
「あっ!伊織さんですか!?」
『?誰?』
聞き覚えのない声
番号を確認せずに出たから本当に見当もつかない
「あっ!
タケミチの友達の千堂敦です!!
タケミチのケータイから掛けてるんスけど!ちょっと緊急事態で…!!」
『…どうしたの?』
「タケミチの家の前でマイキーくんとドラケンくんが鉢合わせて乱闘になって…!!
止まりません!!」
『っ!すぐ行く!!』