第6章 Infighting
「伊織、よくあんなバケモノとまともに話せるわね」
『まあ怖くない訳じゃ無いし、柚葉にやってることは許せない。
だけど、ただの一般人の私が柚葉に出来ることってこれくらいしかないから…』
「伊織…」
『でも、柚葉が逃げるって言ってくれたらいっぱい助けになれるのよ?
本当にいつでもいいから。
覚悟決まったら連絡してね。』
「…うん。
ありがとう。でも今は大丈夫。伊織のお陰でアイツも機嫌がいいの。」
『そう。』
根本的に解決にはなってないし、その場凌ぎの話だけど、今彼女が少しでも楽だと言うのなら良しとしよう。
それに、器具もいくつか手に入る
大分心許ないが、あるものの中でやるしか無い
そのためには、けんちゃんが襲われる未来を阻止しないと
早く2人の争いを止めないと
『よし!』
私は自分の頬をパチンと叩いて気合いを入れると、柴家を後にした