第6章 Infighting
それから私たちは2人で色んな話をした。
後悔、懺悔、憤怒、哀愁、反省、、、
何ひとつとして良い話はなかったけれど、ひと段落する頃には話す前よりも少しだけ心が落ち着いていた。
きっと、パーちゃんが捕まったことを受け入れる日はそんなに近くは来ないけど、いつかパーちゃんが出て来れた日に笑ってお帰り、と言えるような私たちで居たいと、
そう話した。
『…明日は万次郎のところに行ってくる。
そしたら、、、ちゃんと2人で顔合わせて話してよ。』
「…このままじゃいけねえことは分かってる。
でも、冷静に話してられる自信はねぇな…」
『別に冷静じゃなくていい。
正面からぶつかり合えるくらいの仲じゃなきゃ、チームなんて一緒に引っ張っていけないよ。』
「そう、か…」
けんちゃんは少しだけ笑って、視線を下に落とした
「…伊織、ごめんな
ずっと避けてて…俺らお前に隠し事して、どんな顔して会えばいいのか分からなくなって…」
『ああそのこと?
それなら理由は凄く気になるけど、今はそんな私情は捨ててるの。
だから全部終わったらちゃんと説明してもらいますから!』
「…」
返事がないところをみると、どうしても私には理由も言えないらしい
…そのことはやはり胸が痛むけれど、たかちゃんが頭下げてまで信じてくれって頼んだんだ
私はみんなを信じよう
『あ、そうだ。
これタケミっちの住所。もう退院したらしいんだけど、まだ絶対安静なんだって。』
「そうか」
『気が向いたらお見舞い行ってあげてよ。
きっと喜ぶから。』
「ああ。
ありがとうな。」
そう言って2人で公園を出ると、真っ直ぐに帰路に着いた
けんちゃんはわざわざ反対方向の私を家まで送ってくれて、私が家に入ると彼は背を向けて歩き出した
明日は万次郎。
ちゃんと話せるかな…