第6章 Infighting
『圭くんありがとう。
わざわざごめんね、』
「お前、流石に無理あんだろ」
『え?』
なんの話か本気で分からなくてそんな間抜けな声が出る
圭くんはまっすぐだから偶にこういう所があるんだよなぁ
「さっき色々言ってたが、俺は頭悪いからよく分からねぇ。
結局だ、今一番やらねえといけねえことはなんだ」
『勿論、2人の喧嘩を早く収めること』
「じゃあ次は」
『下の子たちを鎮めること』
「その次は」
『東卍の内部分裂を企てた犯人を突き止めること。
…どうしたの?急に、、、』
圭くんは正直こういう手の問題解決はものすごく下手くそだ
そんな圭くんがここまで話に食い込んでくると思ってなかった
「それがお前が今からやろうとしてることか?」
『ま、まあそうだけど…』
「ふうん」
『え?なに?』
「なら最後のやつ俺がやるわ」
『は!?』
最後のやつって、、、犯人捜しってことよね?
圭くんが?
いやいや、そういうのは私の仕事でしょ?
「初めの2個はお前にしかできねえ。
思ったより俺にできることないが、全部お前がやんのは無理だ。」
『でも、だからって…』
「うるせえ
もう決めたんだ。変えるつもりはねーぞ」
圭くんはそういって私をまっすぐ見つめる
この目は本気のやつだ
『…圭くん、私は大丈夫だから
心配してくれてるんでしょう?
でもこれは私の仕事なの。だから「んなことはどうだっていいんだよ」
「俺は、東卍がちゃんと東卍であればそれ以外はどうでもいい。
誰の仕事とか関係ねえし、俺はただ自分にできることやるだけだ。
…だいたい、内部抗争とか気乗りしねえし、外の敵探す方が楽」
『圭くん…』
「とにかく、おれはやるからな」
圭くんはそれだけいうとさっさと自分のバイクに跨がって帰って行った
誰の仕事とか関係ない、か、、、、
廃工場であんな話を聞いてから、私自身が一番自分の仕事に固執していたのかもしれないな
…私も自分に出来ること、自分にしか出来ないことを愚直にやってみよう