第6章 Infighting
「オマエ、気づいてんだろ?」
『…何のこと』
「パーちんとメビウスの件、マイキーとドラケンだけじゃねえ。
オレも場地もグルでオマエに隠し事してたってこと」
『…』
「で、お前はそれを知りたがってる」
『半分正解ってとこかな』
「…」
「んだよ、前ぶりは良いから早く本題に入ろうぜ」
人気のない港
黒い海を横目に2人と向き合う
私は2人を見上げて口を開いた
『確かに、たかちゃんと圭くんも一緒に私に隠し事してるのは気づいてた
それは正解
ただ…私が知りたいのはその内容じゃない』
「…」
「…」
『言いたくないことを無理に聞く趣味はないからね。
…私が知りたいのはその理由よ。
結局、すべてが終わってしまった後でも、パーちゃんは話してくれなかった。
あんな事態になってまで私だけには言おうとしない。
…それはなんで?
考えても考えても、、、それだけは分からない』
終わってしまった今、パーちゃんとメビウスの喧嘩の原因なんてどうでも良い
私に話さない理由と、万次郎とけんちゃんが私に会わないこと
この二つはどこかでつながっている気がした
『あの場に足を踏み入れる前にね、聞こえたの
【今回の件はいつものようにアイツには任せられねえ】って
【アイツは戦えないから】って
【何より、女だから】って
もしそれが本当の理由なら、私は東卍にはいらないじゃない?』
「伊織それは…」
「…そういう意味じゃねえよ」
『じゃあどういう意味?
…だから、メビウスとの勝負がついてから聞いてやろうと思ってたらこんなことになっちゃって、、、
…でも私だって馬鹿じゃない。
今この状況でそんな私情を挟むべきでないことは分かっているし、実際今東卍を守れるのも私だけだってのも理解してる。』
自惚れとかじゃない
隊長たちは自分の隊員がいる
パーちゃんが居なくてぺーくんが機能しない今、隊長たちは東卍全体の統治なんてやってる余裕もない
今は私しか居ない
そのことは分かっているのに、心が着いていかない
あれがみんなの本音なら、私がそんな役目なんか負っても意味がない
そんな考えに押し潰される