第6章 Infighting
「お前が俺たちを呼び出した理由は分かってる」
「さっさと始めちまおうぜ」
「なあ?伊織」
『…』
武蔵神社の境内
いつもは東卍の集会が行われ、賑やかな場所
ただ今日の夜は5人の人間だけが神妙な顔をつきあわせていた
そして彼らを招集した本人である伊織に4人の視線が刺さる
『急に呼び出したりしてごめん
みんなの言う通り、集まったのは万次郎とけんちゃんの話
2人はあれからほとんど顔を合わせてないし、多分私のことも避けてる
おかげで下の子たちも混乱して2つに割れかけてる
このままだと中から崩れていくのは時間の問題』
「…中にはマイキー派、ドラケン派とか言ってる奴らもいるらしいぞ」
「この前は少し小競り合いになってる所も見た
放っておけば必ず喧嘩にになる」
東卍ツートップの喧嘩
今までここまで激化したことはなかった
その場の全員が閉口する
「…こんな状況で悪いが、、、いや、こんな状況だからこそなんだが、、マイキーとドラケンがああなっちまった以上、今の俺らのトップは伊織、お前だ。
酷なこと言ってるのは分かってるが、俺たちはお前の判断に従うぞ」
『たかちゃん…分かってる』
「それに、俺らにも手がつけられなかった。
伊織さんにも止められないとなると本気で東卍は終わっちまう…」
『ナホくんも、、分かってる
分かってるけど、、、あの2人、私がいくら会いに行ってもいないの。
あれからもう数日経つけど、その間に一度も会えてない!』
家の前にずっと張ってても自分がいる間は絶対に姿も現さないという2人
いつもは3人で行動するのが常であった彼らにとって、このことがどれほど異常なのか
この場にいる人間は誰もが理解できた