第5章 Cause
何度も何度もパーちゃんの名を叫ぶ万次郎の声が聞こえなくなった
と、パーちゃんはその場に座り込んで話し始める
「…ゴメンな、伊織
お前に何も言わねえで」
『…パーちゃん、、なんでよ
なんで、言ってくれなかったの?』
ここまで追い詰められていたなんて…私は知らなかったよ?
どうして相談してくれなかったの?
「…ゴメンな」
『謝ってちゃ、わかんないよ…』
「…」
外の方が騒がしい
きっと警察が到着したんだ
「伊織、ひとつだけ…
お前に黙って今回色々やったのが1番の原因だ
だが、お前に言わねえっていうのはみんなで決めたんだ」
『…どうして、、、』
「それだけは言えねえ…だが、ひとつだけ信じて欲しい」
そう言うと、パーちゃんは大きくて暖かい手を私の頬に触れさせた
「お前はちゃんと、東卍の一員だ
お前は東卍にはいなくちゃならねえ
それは何があろうと絶対に変わらねえから」
『…パーちゃん、、、』
「…俺は本当に馬鹿で、いつも伊織に助けられてきた
本当にありがとうな」
『やだ、やめてよ…』
「伊織…お前のやってきたことはいつでも正しい
だから、、、これからの東卍を頼んだぞ」
『パーちゃん!!』
ガラガラ!
「中にもいたぞ!
怪我人もいる!!!」
『っ!』
「…時間だな」
『パーちゃん!!』
「本当に、ありがとうな
お前らは最高の仲間だったよ」
『パーちゃん!』
「…馬鹿なこと言わないで、お前は向こうに戻れよ」
「3人だ!!3人いるぞ!
ウチ1人は怪我人だ!」
「うるせぇサツ共!
この女なんか知らねえよ!!
俺がこのバカを刺した!この女はたまたま居合わせて人助けただけだ!!!」
『!!』
「何!?確保だ!!」
『ああ…っ!』
「君、大丈夫か?
怪我してないかい?
この応急処置は君が?」
『あ、、ああ…』
警官の言葉が理解できない
ただ、パーちゃんが最後に笑ったのが警官の黒い服の間からチラリと見えた