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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第5章 Cause


「何やってんだよ!パー!!!」

「うっ」

『パーちゃん!?』












けんちゃんに押されてパーちゃんは尻餅をつく

その声に誰もが足を止めて彼らの状況を理解した











「パー…オマエ…っ」

「パーちん…?
ナイフなんてどっから…?」

「え!?刺した…?」











誰もが呆然とそれを見つめる中、最も早く我に帰ったのは1番近くでそれを見ていたけんちゃんだった











「クソッ
早くこれ抜いて…」

『だめ!!けんちゃん抜かないで!!!!』

「あぁ!?」

『抜いたら出血が酷くなる!!』










と、けんちゃんの行動に私も慌てて我に帰って長内に駆け寄る

何度か声をかけても反応はない



そして不安を煽るかのように、パトカーの音が近く大きくなっていった












「逃げるぞ!パー!!」










万次郎のそんな声が聞こえる


それに応えるようにパーちゃんは立ち上がると、目にたくさんの涙を溜めて言った













「ゴメン
マイキー、ペーやん
…参番隊を頼む」





「オレ、自首する」






「っ!」










その言葉を聞いて、けんちゃんは万次郎の方へ駆け出した

反対に、万次郎はパーちゃんを連れ出そうとこちらに走ってくる











「ふざけんな!」

「ぼーっとしてんじゃねえ!!」

「バカ!置いて行けねえよ!
パー!一緒に来い!!みんな捕まっちまうぞ!!」

「…」

「パー!!」










けんちゃんに担がれながらもそう叫ぶ万次郎

私は目の前のパーちゃんの顔を見ると、何も言えなかった












「伊織!お前も何してる!!
早く逃げるぞ!!」

「伊織…お前も行け
オレはここに残る」










けんちゃんからそう言われ、パーちゃんからもそうやって優しく諭される


でも、このまま放っておく訳にはいかなかった












『私は大丈夫!
なんとでも言い訳がつくから捕まることはないわ!!
でも…このまま長内を放置できない!!!』











パーちゃんを殺人犯には絶対にしたくないの











『だからお願い!!先に行って!!!』
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