第5章 Cause
「お?ヤんのか?マイキー」
余裕ぶっこいてタバコに火をつけようとする長内
それを興味なさげに見つめると、万次郎は一歩左足を引いて体制を整えた
「10秒で殺してや…」
ドゴン!!!
「え?」
「パーちんが負けたと思ってる奴、全員出て来い
オレが殺す」
誰もがピクリとも動かず、信じられないものを見るように口を開けている
「東卍はオレのモンだ
オレが後ろにいる限り
誰も負けねえんだよ」
そう言って不敵に笑う万次郎
これが東卍総長、無敵のマイキー
「ごめんケンチン
…やっちゃった」
「はぁ…
しょうがねえな、マイキーは」
『…ふふっ
パーちゃん、もう大丈夫だよ
ちょっと頭のキズみせてね?』
「あ、ああ…」
そう言ってパーちゃんの傷の具合をみる
…本当に酷い
喧嘩賭博のタケミっちとは比較にならない
バリン!!
「危ねえマイキー!!」
「あ"あああああ!!!」
『万次郎!!』
万次郎の背後から割れた瓶を構えて走り出す長内が見えた
と、けんちゃんが2人の間に入る
「ドラケン!!」
タケミっちが叫んだ
そしてこの時、その光景に夢中になりすぎたわたしは
目の前のパーちゃんがいなくなったことに気づかなかった