第5章 Cause
『ねぇ、どういうつもりって聞いてんの
なんとか言ってよ』
私がここに来るとは予想もしていなかったんだろう
万次郎ですら目を見開いて私を見ている
でも、そんなことはどうでもいい
『愛主愛主どう攻めるって?
私何も聞いてないんだけど
それって、私に何も相談せずに作戦決めて勝手にやろうとしてたってことよね?』
「いや、伊織さん、落ち着いて…」
『タケミっち、私は落ち着いてるわ
ねぇ万次郎。どう言うことか説明、あるのよね?』
「伊織…」
この感情は、怒り…違うな
悲しいんだ
嗚呼、そう思うと胸が、身体の中がまるで刺されたように痛い
『パーちゃん、貴方が愛美愛主許せないのは分かってる。
だから私だって作戦もちゃんと考えてた。
何?不満も直接言い合えない仲だったかしら?私たち。
…私に隠し事、しかも東卍絡み、、、
もしかして私もうここには要らないの?』
「伊織違う!そうじゃねぇ!!」
『じゃあ何!?
戦えないから!?女だから!?
それなら私は必要ないって!?
別に無理して隠そうとしなくていいわよ。さっき言ってたものね!4人で!!』
「伊織…」
何よ…なんで万次郎とけんちゃんとパーちゃんがそんな苦しそうな顔するの?
その顔したいのは私の方だよ
信じてたみんなにそんなこと言われて
本当は私のこと、そんな風に思ってたんだって知って
今までの優しさとか、私を東卍メンバーとして慕ってくれた気持ちとかも、、、全部慰めだったってことでしょう?
『私は…嬉しかったのに、、、
こんな私でも大好きな東卍の力になれてるんだ、って
頼ってもらえるんだ、って』
ただ悲しくて悲しくて仕方がない
泣きそうになりながらもなんとか涙を堪える
…ねえ、どうして誰も何も言わないの?
みんな、いつからそう思っていたの?