第5章 Cause
『すっごく安心して寝てるね、万次郎』
「背負う身にもなってみろってんだ」
『けんちゃん背負える人なんてそうそういないでしょう?
圭くんとかならいけるんじゃない?』
「場地は嫌だ
なにやり始めるかわかんねーもん」
『ふふ、確かに』
万次郎はけんちゃんの背中ですやすやと眠っている
総長としての万次郎ならこんな姿絶対に見せないから、こうやって彼が私たちの前で安心した表情を見せるてくれるととても安心する
「…伊織」
『なに?』
「…昨日の、、、エマのこと、ありがとうな
その…俺達からは言いにくいことだったから…」
『ああ、そのこと…
別にいいよ、アレくらい。
私にとってもエマは大切な妹みたいなものだし』
「ハハッそうかよ
それ本人に言ってやれよ。喜ぶぞ」
『え?』
「昨日バイクのケツ乗せてるとき言ってたんだ。
伊織に怒られたって。
でも、怒られたけど嬉しかったんだって。」
『…』
「兄妹でも家族でもないのに、本気で怒ってくれて嬉しいんだって言ってた。
いつかあいつもお前みたいになりたいんだと。
伊織は自分の姉みたいな人だからって」
『…そう』
エマも同じように姉のように慕ってくれていたなんて…
嬉しいな
「昨日、本当にエマの誘ったやつがタケミっちで良かったって、心から思った。
もしあの意気地なしじゃなかったらと思うとゾッとする。
だから、本当にありがとな」
『いーえ
…でも、けんちゃんが早く告っちゃえば自分の口からちゃんと言えるようになるのよ?
まだ言わないの?』
「いや、、、
でもなるべく早く…言わねえといけねえってマジで思った」
『ふふ、やっと?』
「…まだ今はタイミングじゃねえが、近いうちに言うよ」
『ちゃんと考えてんだ?』
「たりめえだろ
俺は一生離さねえつもりでいるんだ
ちゃんと、考えてる」
『へぇ…そう。
エマの結婚式、楽しみにしてる』
「ああ。
すげえ綺麗なエマ見せてやるよ」
けんちゃん、エマ、
その未来は私が守るから