第5章 Cause

「いくじなし君って、どういう事ですかぁ？」

「ち、違うんだ！ヒナ！！
俺は何も覚えてなくて…！！」

「エマの下着姿見たくせに逃げたー
いくじなし」

『はぁ！？』

「っ！」











下着姿！？

え、じゃあ何？そういう格好になれるような閉鎖的な場所に2人きりでいたってこと！？











「…伊織、エマの方、頼む。」

『ぁ、けんちゃん…』

「俺はちょっと頭冷やしてくっから、、、頼んだぞ。」

『うん…』













さっき、エマの言葉を聞いた時、、、隣にいたけんちゃんが小さく息を飲んだのが分かった

それに今私に小さな声で頼んだときの声はひどく弱々しくて、顔なんて見れなかった





…エマ、理由があったのかもしれないけど、それはしちゃダメだよ








『エマ、ちょっと…』

「ん？」









私は少しみんなから離れたところ…でも、けんちゃんの視界にエマが入るようなところにエマを連れて行った












『エマ、なんでそんなことしたの』

「だって、ドラケン全然ウチに興味ないんだもん
少しくらい反応とかそういうの、欲しいじゃん？」












パン！












「ぇ？…伊織、、、？」

『…バカ！！
もしこれがタケミチ君みたいな意気地なしじゃなかったらどうなってたか分かってる！？』












私はエマの頬を平手で叩くと、一気にそう言葉を並べる

エマは一瞬ポカンとしたが、すぐに言葉を返してきた











「わ、分かってるわよ！そのつもりで誘ったんだし…」

『いいや、分かってない！！
エマ、いくらけんちゃんに何か反応して欲しかったにしてもやって良いことと悪いことがあるの！
そんなことして誰か喜ぶと思った！？』

「だって！
…だって、ドラケン大人だし、、、ウチも大人になったら少しは見てもらえるかもって、思って……っ」

『エマ…』








エマはそう言いながらポロポロと涙を落としはじめた










「…っ、もう、これ以外に、追いつけるような、、、方法がっ、わかんなかったんだもん…！
ウチはさ、伊織みたいに精神的に大人じゃないから、、
身体だけでも大人になりたいって、思って…っく」

『…』