第1章 くノ一とアイカツ!
「でも、さっき、ドクタケ忍者隊の人たちと追いかけっこになっていたとき、あの人たち、稗田八方斎さんのこと××とか□□言ってたよね」
「うん、言ってた。しかも、△△とも」
「ちょっと、いちご、霧矢……」
美月が2人を止めたときは手遅れであり、稗田八方斎は怒りだしてしまいました。
「あ~い~つ~るぁ~」
怒りのせいか、彼の頭からまるで熱い炎が出ているようでした。
「いけない、いちごさん、あおいさんが相手を怒らせて冷静さを失わせる怒車の術を使っちゃった……」
「怒った稗田八方斎は、誰の手にも追えないよ……」
「逃げたいでしゅ……」
「まずい、どうしよう……」
あわあわしているユキたちと一緒になって、いちごも口をパクパクさせていました。
「美月さん?」
美月が前に出て、稗田八方斎のところへ行ったため、あおいが目を丸くします。
「え?」
いちごも驚いた表情で美月の後ろ姿を見ていました。美月は振り返り、
「術を習う前に、山本先生が言ってたよね。敵に先を読ませぬ意外性が大事だって。稗田八方斎さん相手に隠法や遁法、他の忍術を使っても先を読まれてしまうだけだと思う。だから、私は……」
と、言い、いきなり歌い始めます。この場にいた全員が目をパチクリとさせていました。