第1章 くノ一とアイカツ!
「忍術学園のくノ一どもではないか。何しに来た?」
稗田八方斎のしわがれ声にいちごたちはビクッとなっていました。
「何しにって、そうそう」
「ピクニックですよ、ピクニック」
「こんな危ないところでピクニックは不自然だと思う」
ユキとトモミにツッコミを入れた美月です。
「そうか、そっか、ピクニックか。楽しんだら早く帰ると良いぞ」
「うそ……」
「この人、ユキちゃんたちの言葉、信じてる……」
いちごとあおいがポカンとなっています。
「だが、このまま帰すわけにはいかない」
稗田八方斎の目がぎろっとなり、この場にいるくノ一たちの表情が引き締まっていました。
「やっぱり、ドクタケ忍者隊首領を避けて通るなんて始めから無理だったのよ」
「こんなことなら、先生にもついてきてもらえば良かったなー」
「こんな強くてカッコいい人を相手にするなんてね、出来ないでしゅね私たち」
「おー、おー、よくわかっているではないか。わしは強くてカッコいい」
稗田八方斎はくノ一たちの五車の術のうちの1つ、喜車の術にかかったようです。相手を褒めておだてて油断させようとしています。