第13章 【第十二訓】ビーチの侍の話
「なーんだ、無事なんだ」
神楽の攻撃により気を失った銀時と新八は、エイリアンに命を救われた。
このエイリアン、人を襲うような獰猛なものではなかったらしい。
エイリアンの背に乗せられたまま波打ち際まで来ると、長谷川が二人を脇に抱えて戻って来た。
新八は未だにのびているため、波打ち際に転がされている。
その体を、神楽は楽しそうに砂に埋める。
「無事じゃねーよ。気持ち悪ィ。ったく、偉ェ目にあったぜ」
銀時の方は意識を取り戻したはしたものの、足取りはふらついていた。
砂浜を少し歩くと、力尽きて座り込んだ。
「あー、さっさと帰っ」
砂浜に向けていた顔を上げると、目の前に広がるのは砂浜ではなく、花畑だった。
正確には、花柄のビキニ。
銀時はしばし、そのままガン見する。
「いつまで見てんだ、テメェェェ!」
「ぼぶへ!」
その至福の時間は、膝蹴りにより強制終了させられた。
左頬に決まったストレートキックにより、銀時は砂浜へと落下した。
手をつく間もなく、顔面から崩れ落ちる。
「何しやがんだ! 不可抗力だろ、今のは!」
「不可抗力なのは、一瞬だけだ! この変態!」
顔を抑えながら立ち上がった銀時は、額に青筋を立てて○○に食ってかかる。
「鼻から血ィ垂れてんぜ、変態さん」
長谷川はタバコを吹かしながらのんびりしていた。