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~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第13章 【第十二訓】ビーチの侍の話


「ぎゃあああ! 変態! 寄るな! 万年発情男!」
「てめーの蹴りのせいだろーが! タンクトップ脱げ! それで拭くから!」
「何言ってんの! 真性のド変態! エロ!」
「その下、水着着てんだろ!」
「だからって、脱ぎたくないもんは脱ぎたくないんだよ!」
「誰もてめーの貧相な胸なんか気にしやしねェ!」
「何だとォォォ!」
「責任取って、拭くもんくらい寄越し――」

 喚く銀時の顔に黒い布が覆いかぶさった。

「それで拭くヨロシ。○○イジめるの、この私が許さないネ」

 銀時はその布で鼻血を拭く。
 ○○は反対側に体を向け、タンクトップの隙間から胸元を垣間見た。

「気にしてんのは、胸じゃないよ」

 左鎖骨の下から延びる、刀傷の痕。
 ○○の体には、胸の間を縦断するように大きな刀傷がついている。
 真選組で目を覚ました時からあった傷。
 具合からいって何年も前に負ったもののようだ。

「やっと止まった。……ん?」

 ひとしきり顔を拭いたあと、銀時はようやくそのことに気がついた。

「あのー……神楽ちゃん? これって……」
「使い終わったらこいつに返すヨロシ。別に下半身露出させたまま歩かせてもいいけどな」

 神楽の指さす先には、砂から顔だけを出した新八がいる。
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