第14章 【第十三訓】ベルトコンベアに挟まれた工場長の話
○○は門を見上げた。
垂衣のためぼんやりとしか見えないが、懐かしさを覚える。
近藤は? 土方は? 沖田は?
どうしているだろうと思いながら、馴染み深い縁側を歩く。
「局長! 連れて来ました」
近藤は? 土方は? 沖田は?
そこにいた。
一行は座敷に通された。
拾われた○○が寝かされていた部屋だ。
感慨に耽っている間に、銀時が捏造霊の存在を説明している。
「霊はいかようなものゴリか」
正面から聞こえた声。
垂衣越しでわかりづらいが、体格からしてそれが沖田だと見当はついていた。
「えーと……工場長」
霊の説明が終わると次は降霊。
器として指名された山崎は、ボディブローという降霊術を神楽に食らう。
「とりあえず除霊しちゃいましょう」
あまりにグダグダな寸劇を見ていられず、○○は立ち上がった。
腰に挿していた大幣を手に取り、左右に大きく振る。
「アブダカダブラーちりぬるをわかー!」
紙垂で山崎の顔を祓いながら、○○はあいやーと言い続ける。
近藤、土方、沖田の三人はお祓いを黙って見ていた。
だが、この連中が素直に見ていることはかえって不気味。
「オイ、見てるぞ! 怪しげな目で見てるぞ!」
銀時に肩を突かれても、○○はお祓いをやめない。
もはやその行為が楽しくなっている。