第14章 【第十三訓】ベルトコンベアに挟まれた工場長の話
「待って!」
小さいながらも鋭い声を上げ、○○は銀時の腕にしがみついた。
「警察に詐欺はマズイでしょ!」
「いやいやァ、あの能なし警察なら、ちょろいもんだろ」
銀時は親指と人差し指で丸を作る。
デマを吹っかけ、金貨ガッポガッポ。
むしろ、札束バッサバサ。
「警察はダメだって!」
銀時は首を捻る。○○らしくない。
相手が警察だろうが、政治家だろうが、ヤクザだろうが、躊躇なく仕掛けそうなものだ。
踏み込めない事情でもあるのか。
「てめー、まさか」
包帯の隙間から覗いた瞳が鋭さを見せる。
「こっちに来る前、警察の厄介になってたのか? 何したんだ? 窃盗か? 殺人か? まさか、その年で援こ――ぐおっ……!」
○○は銀時の腹部に肘鉄を食らわせた。
「何してるんですか」
山崎は振り返る。
「早くして下さいよ。このままだと、真選組が壊滅しかねません」
溜め息混じりに吐き出された言葉に、○○は耳を傾けた。
(真選組が……壊滅?)
真選組で何が起きているのだろう。
不安な思いが○○を屯所へと向かわせる。