第13章 【第十二訓】ビーチの侍の話
「なーんだ、無事だったんだ」
海の藻屑と化したと思われた三人はえいりあんに救われていた。
背に乗せられ、揃って波打ち際まで運ばれた。
このえいりあん、人を襲うような獰猛なものではなかったらしい。
「無事じゃねーよ。気持ち悪ィ」
大岩を食らってのびていた銀時。
意識は取り戻したものの、足取りはふらついていた。
頭を押さえながら○○の近くまで来ると、力尽きて座り込んだ。
「あー、さっさと帰っ――」
俯けていた顔を上げると、眼前に花畑が広がっていた。
白地に三角形の花畑。そこから二本の肌色が砂浜へと伸びている。
しばしの間、ガン見する。
「いつまで見てんだ、テメェェェ!」
「ぼぶへ!」
左頬に決まった蹴りにより、銀時の頭は砂浜へとめり込んだ。
花畑は○○が穿いているビキニの柄。
「何しやがんだ!」
「信じらんない、この変態!」
「不可抗力だろ、今のは!」
「不可抗力なのは一瞬だけだ!」
目の前に○○が立っていたための事故とはいえ、幾秒も目を離さないのは明らかな過失。
さらに銀時を追いつめる一言を長谷川が発する。
「鼻から血ィ垂れてんぜ、変態さん」
顔を抑えながら立ち上がった銀時は血を滴らせていた。