第10章 【第九訓】どれぐらいヤバイかっていうとマジヤバイ話
「うらァァァ!!」
飛び降りた勢いそのままに、次から次へと敵を打ち払う。
「アイツ……」
○○の動きに銀時は目を見張る。
神楽とのチャンバラごっこは時折り目にしていた。
昔と変わらぬ、正確な太刀筋。
ただ、それが実戦では役に立たないことを知っていた。
それなのに何だ。バッタバッタと敵を打ち払っている。
「どわ!」
間一髪で攻撃を躱し、銀時は木刀で殴りつける。
今は○○の剣について考えている場合ではない。
倒しても、倒しても、埒が明かない。
「何人いんの、こいつら!」
足蹴に頭突きと、○○は女性らしからぬ技でも応戦する。
「あの白い粉は転生郷!!」
敵の一人が太助の頭を指さした。
太助はカツラの下に麻薬を隠していた。
「どうりで敵が多いわけだよ」
組織から抜けるためではなく、麻薬を持ち逃げしたため追われていたようだ。
敵の一人が公子に鎌を突きつけた。転生郷との交換を持ちかける。
私に構わず逃げてと公子が言い終わるより早く、太助は逃げ出した。
「逃げたよ、アイツ!」
体型に似合わぬ俊敏さを見せる太助に、○○は声を上げる。
太助は金のためだけに付き合っていたと吐き捨てた。
その言葉が○○の癇に障る。
「ふざけんな!」
「逃がすかコノヤロー!!」
○○の手から放たれた木刀と、銀時の手から放たれた木刀が、同タイミングで太助の頭へと到達した。
ガガンッと連続して頭蓋骨を打つ音が響く。