第62章 【第六十一訓】酒は憂いの玉箒でも憂いの原因は酒って話
「じゃあ、次のデート場所は私が決めていい?」
「おお、宇宙の彼方でもどこにでも行ってやらァ」
「この後、大江戸プラネタリウムに行きたい」
「え、この後? え、大江戸プラネタリウム……?」
「うん。昨日の夜にテレビで宣伝見たんだけど、気になる上映が今夜の一回で終わりだから」
目をらんらんと輝かせ、○○は銀時を見つめる。
銀時の顔には次第に汗が浮かんでくる。
「いやいや、夜はやめた方がいいんじゃないかな……それにプラネタリウムって」
夜間の外出×夜空の鑑賞。
○○にとって不安要素しかないはずだ。
「平気だよ」
○○は銀時の腕に絡みついた。
「銀さんがそばにいてくれれば」
嬉しそうに熱視されては、断れるはずがない。
銀時には、○○に対する負い目がある。
忘年会の夜に、過ちを犯した負い目。
○○の知り合い六人の男女と、結婚を前提に交際している負い目。
後ろめたさから、○○をラブホテルに連れ込むことも出来なくなった。
「仕方ねェな……」
断れるはずがない。
たとえ今晩、七武海デートが待ち受けていようとも。
同じ場所で、六股デートをする羽目になったとしても。