第61章 【第六十訓】イボは自分でとっちゃダメな話
○○は街中にいた。
念のため、沖田に言われた場所を偵察に行ったが、やはり不審な者はいなかった。
○○はわかっていた。沖田の命令は、○○を屯所から遠ざけるための嘘だと。
屯所に新八が現れた時から、今日、沖田が行動を起こすだろうと予期していた。
そして彼は言った。新八には別の任務がある、と。
その言葉こそが、合図だった。
ずっと前から気づいていた。
沖田は、江戸を手中に収めることを企てている――
江戸を手に入れるための最難関は、坂田銀時。
そのために、新八を利用しようとしている。
自分を恋人にしたことも、同じ理由だということにも気づいている。
○○を手元に置き、銀時を屈服させる材料とする。
ただ、○○と銀時は絶縁状態になり、利用することが出来なくなった。
別れたとはいえ、完全に関係が断絶するとは、沖田は思っていなかったのだろう。
○○に利用価値なしと判断した沖田は、新八へと対象を変えた。
○○は、沖田に対する愛情を持っていない。
沖田の行動を監視するために、恋人としてそばにいた。