第61章 【第六十訓】イボは自分でとっちゃダメな話
「銀さんは!?」
「銀さんとは二年前に別れたよ。あの約束した後すぐに」
――二年後にジャボンティ諸島で!!!
万事屋四人で交わした、あの約束のすぐ後。
「だからしらねーよ! そんな約束!!」
銀時からも聞かされた、身に覚えのない約束に新八は再び絶叫。
「あの後ね――」
銀時は○○と共に研鑽を積む気だった。
だが、○○は真選組で修行をしたいと、申し出を断った。
銀時は猛反対。そして大喧嘩、絶縁。銀時とは以後、顔を合わせていない。
○○が真選組に戻ってすぐに近藤が脱退。
土方が局長となったが、恐怖政治からの転換が仇となり沖田にトップの座を奪われた。
同時期に○○は沖田から猛アプローチを受けた。
沖田は弟のように思っていた存在。始めは素っ気なくあしらっていたが、熱意にほだされ、交際がスタート。
二年経っても関係は続いていた。
「再会を懐かしむのもここまでだ」
沖田は割って入ると、江戸市中に不穏な動きをしている人物がいるとの一報を伝えた。
○○に様子をうかがうよう命じる。
「じゃあ、新八君連れて行ってくるよ」
「いや、女一人の方が探りやすい場所だ。一人で頼む。それに」
沖田は新八に眼差しを向けた。
「こいつには別の任務がある」
○○は承諾し、部屋から出て行った。
○○の後ろ姿を見送ると、沖田は振り返って不敵な笑みを漏らした。