• テキストサイズ

~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第56章 【第五十五訓】吉原炎上篇は諦めて回想にした話


「え?」
「何だい。聞いてなかったのかい」

 アルバイトから帰った○○は、お登勢にそのことを聞いた。
 今日、日輪に会いに吉原へ行くと、晴太が言っていたと。
 身寄りのない晴太はお金を稼ぐため、『スナックお登勢』で働いていた。
 銀時、新八、神楽も晴太に付き添っているという。

「アンタも一緒に行ったもんだと思ってたよ」

 ○○は何も聞いていなかった。
 晴太のことは○○も案じていることを、当然、銀時も知っている。
 それなのに、○○がいない間に行ってしまうとは、如何なる理由があるのだろう。
 まるで、○○を吉原に行かせたくないかのよう。

「アイツ、まさか……!」

 場所は遊廓・吉原桃源郷。
 晴太を送り届けるという名目にかこつけて、女を買うつもりでは。
 いやしかし、新八と神楽も一緒ならばそんなはずはあるまい。

 しかし、心の底からは信じることは出来ない。
 女を買うことはせずとも、女性に囲まれ鼻の下を伸ばしている姿は容易に想像が出来る。
 ○○がいては、羽を伸ばすことも出来ない。そう思って、除外されたのでは。
 沸々と、○○の心に疑念が湧く。

「行って来ます!」

 アルバイトから戻ったばかりだが、○○は部屋に上がることなく、表へ飛び出した。
/ 502ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp