第53章 【第五十二訓】マイナスドライバーもあまり見ない話 其ノ三
「あの体型でなんて奴……!」
走りにくい屋根の上、走りにくい体型にも関わらず、距離を開けて行く桂の背中を見ながら○○は驚嘆する。
逃げの小太郎の逃げ足はドライバーとなっても健在だ。
「真選組局長として、攘夷志士に後れをとるわけにはいかん!!」
「近藤さん!」
ウホォォッと雄叫びを上げながら、近藤は桂を追って走り去った。
やがて『ゲオかぶき町支店』へとたどり着いた○○達は、駐車場に一台の宇宙船を見つけた。
「あれ!!」
宇宙船はふわりと浮上した。
このまま宇宙に去られては、今度こそ本当に万事休す。
宇宙船へと急ぐ○○の目に、一台のトラックが映った。
トラックは猛スピードで宇宙船へと迫る。
「銀さん!?」
その車体には『運び屋銀ちゃん』の文字が記されていた。
宇宙船は低空でゆらゆらと揺れている。宇宙船の動力部では、桂と近藤が自らのボディでネジを外していた。
そのため、宇宙船は上手く飛び立つことが出来ずにいる。
「負けられるかァァ!!」
銀時に先を越されてなるものかと、○○は速度を上げる。
トラックが宇宙船へとたどり着き、中から新八と神楽が飛び出した。
二人は窓を蹴破って侵入した。