第52章 【第五十一訓】マイナスドライバーもあまり見ない話 其ノ二
〈逃げられねーと分かっていて戦いを選ばないとは。面白い奴だな〉
○○の前に一人のハンターが姿を現した。
彼はモンキーを一撃で仕留めた。
〈ありがとうございます。助かりました〉
○○は素直に礼を言う。
全身黒づくめの男は○○の前まで歩みを進めた。
〈お前さんもあの三人組を追ってるんだろう〉
〈え、貴方も?〉
〈俺もアイツらを追って来たんだ〉
モニターの前で○○は首を傾げる。
三人組が銀時、新八、神楽であるならば、まだゲームを始めたばかりだ。
他のハンターに追われる理由などないはず。
〈彼等を知っているんですか?〉
〈興味があってな。俺も長い事このゲームをやっているが、あんな面白そうな連中は初めてでな〉
男は踵を返し、フィールドの奥へと向かう。
〈ついて来な〉
振り返ることなく、男は○○に向かって言葉を投げる。
〈あ、はい!〉
○○は頼もしそうな背中に駆け寄った。
一人で奥へと進んでも、確実にゲームオーバーになるが、彼といれば大丈夫だという確信が持てる。
間違いなく三人の所にも連れて行ってくれるだろう。