第50章 【第四十九訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ三
よぼよぼと、○○ら老人は階段を上る。
乙姫の姿はもはや見えない。あとは銀時と桂に託された。
「見えました! 砲門です!」
新八の指さす先に、巨大な穴の上部が見える。
○○は階段を駆け上がり、新八を追い越した。
――天元寿老砲、発射!!
「い゛!?」
聞こえて来た音声に、新八は顔を歪ませる。
『天元寿老砲』とは、人々を老化させるウイルス。
発射を食いとめることは出来なかったということか。
「そんな……間に合わなかったんですか」
新八は顔を青ざめさせるが、○○には彼等の様子が見えている。
「まだよ」
柵に手をかけ、○○は砲台の袂にいる銀時、桂、乙姫の姿を目にしている。
「まだ、終わってない」
○○が見下ろす先では、白い煙が上がっている。
その煙の中で、銀時と桂は腰を真っ直ぐにして立っていた。
「あれは……」
○○の横に並び、新八も二人の姿を目に映す。
白い煙は漏れ出たワクチンだった。
煙をあび、銀時と桂は老人から元の姿へと戻っている。
銀時と桂はワクチンを発射させた。
『天元寿老砲』は無効化され、江戸の街も元へと戻った。
やがて煙は○○らの元へと流れて来た。
「おお! 元に戻ったぞ!」
長谷川が歓喜の声を上げ、亀梨と拳を握り合う。
「九ちゃん」
「妙ちゃん」
妙と九兵衛は安堵の表情で微笑み合い、
「○○!」
神楽は○○の背中に飛びついた。