第50章 【第四十九訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ三
「おおおおお!」
寿老砲発射まであと二分。
神楽、九兵衛、長谷川、亀梨を引きずりながら、乙姫は○○達の元へと駆け上がって来た。
徐々に差を詰められ、このままでは四人とも捕まってしまう。
「うりゃ!」
「ぶっ!」
○○は大きくジャンプをし、乙姫の顔面にしがみついた。
「○○さん!」
視界を遮られた乙姫はバランスを崩し、その間に銀時達との差は再び開く。
「ええい、邪魔だ、ババア!」
乙姫は○○を引き剥がすと、その体を放り投げた。
○○は乙姫の着物の袖に掴まり、事なきを得る。
再び階段を駆け上がる乙姫。
今度は新八が乙姫に体当たりを食らわせ、足止めを試みた。
ワクチンは銀時と桂の手に託された。
二人がかりでワクチンを持ち上げ、階段を上がって行く。
「あなたの思い通りにはさせない!」
新八は乙姫を抑え込む。
「歯がなくなろうが、腰が曲がろうが、銀さんとヅラを止められるわけがないんだから!!」
袖口から這い上り、○○は乙姫の首にまとわりつく。
「あんな老いぼれに何が出来るもんか!」
神楽が、九兵衛が、長谷川が、亀梨が、必死に食らいつくも一人また一人と振り落とされる。